五月病にかかる理由
暖かくなってきて、テンションも上がって、元気ハツラツ!しかし絶好調だった4月が終わり、5月に入ると、気分も体調も急降下してしまうことがあります。それが世に言う五月病です。
“病”といっても、医学用語ではありません。単なる通称として五月病と呼ばれているだけ。あえて病名を当てはめるなら、「適応障害」ということになりますが、やっぱり五月病と呼ぶほうがしっくりきますね。
ちなみに適応障害は、暑さ寒さや季節に関係なく、1年通していつでも発症する可能性があります。
五月病が正式な病名でもないのに、ここまで広く知れわたったのは、この時期になると実際に五月病の症状を訴える人が増えてくるからです。
新年度の環境変化に適応できなかったり、ゴールデンウィークなどの長期休暇後の疲労、倦怠感が影響しているといわれていますが、実は特別な環境の変化がなかったり、ゴールデンウィークも休まず働いていたとしても、五月病にかかってしまうこともあります。
張り詰めていた緊張の糸が切れたときに、五月病的な症状が表われます。世間が「五月病が~」と騒いだりするのに影響を受けて、「そういえば自分もなんだか最近調子悪い」みたいな場合もあります。フラシーボ効果的な。
緊張と弛緩の繰り返し
現代人であれば誰しも、緊張と弛緩を繰り返す毎日を送っています。多くの場合は職場で緊張し、オフで弛緩するように、セルフコントロールを行っています。このコントロールがうまくいかないことが、不調の原因であり、五月病の正体ともいえます。
緊張と弛緩を繰り返す毎日を送っている人は、年齢も性別も関係なく、誰でも五月病にかかる可能性があります。しかしむやみに恐れる必要はありません。むしろ気にしすぎると却ってよくありません。
一般的に五月病の予防策として、軽い運動や睡眠を多くとること、ストレスを溜め込まないことなどが挙げられます。どれも簡単そうでいて、実は結構むずかしかったりしませんか?
運動する時間をとるためには、睡眠時間を削らなきゃならないし、早く寝るにも限度があります。無理して早寝や運動をしようとすると、今度はストレスが余計に溜まるなんて場合も。
睡眠や運動ももちろん大切ですが、それ以上に大事なのは糸がプッツリ切れるほど、緊張し続けないことです。ピンと張った糸を緩める時間を持つ、自分にとって無理のないルーティンを作ることが最も有効な予防策であり、対策だと思います。
好きなことがセルフコントロールの秘訣
緊張しなきゃならない時間は誰にでも訪れます。避けて通ることはできません。だからこそ糸が切れないようにコントロールする必要があります。
糸を緩める時間というのは人それぞれです。例えば好きでする筋トレは、糸を緩める効果があります。ただし、嫌々する筋トレはストレスの元です。同じように好きでする課金はいいけれど、ただ引き返せなくて課金するのはNGです。
基本的に好きでやっていることは、なんでもOKです。お酒や甘いもの、軽いギャンブルや旅行、マンガ、あるいはなにもしない時間が、人によって効果的だったりすることもあるでしょう。ただし、なんにしてもやりすぎは禁物。却ってストレスを溜め込むことになります。
また、一切緊張せず、弛緩しっぱなしという生き方もあるかもしれません。五月病とは縁遠いでしょうが、それはそれでダメ人間だと思われます。
他人から見たら無駄に思えるようなことでも、当人には重要な場合もあります。自分なりの上手な糸の緩め方を見つけて、毎日のルーティンに組み込めれば、五月病など恐れるに足りずです!