友達みんなと体育館に泊まる学校行事
小学校の高学年、学年全員で小学校の体育館に泊まる行事がありました。一種のオリエンテーション、レクみたいなものですね。
内容的には、
- 流しそうめん
- キャンプファイヤー
- 肝試し
- お泊り
でした。
①食い気味にがっつくことが「かっこ悪い」と思っていたので、流し台の下の方で待機。お腹は空きつつも余裕の表情を浮かべていました。
②懐かしい「マイムマイム」をみんなで。手を繋いで踊ることが恥ずかしく、お腹が流しそうめんで冷えたと言ってエスケープ。
③脅かす役でした。階段の上からその辺で拾ってきたマネキンの顔を投げてみたり、水鉄砲で濡らしてみたり・・・悪知恵が働く子供でした(笑)
④ここが、今回のお話・・・
小学校の時に、みんなで遊べる!それだけでなく、泊まれるなんて!なんだかんだ楽しみにしていたことを覚えています。
外行事が終わり、寝る時間・・・体育館にマットや布団を敷いて準備は万全。
※男子⇒マット、女子⇒布団・・・えぇぇと思いました(笑)
明かりを消し、就寝。もちろんすぐに寝る子はいません。隣の友達と話したり、ひそかに抜け出してちょっかいを出しにいく子もいます。
僕は友人T君と、みんなが寝静まった頃に体育館を抜け出し、学校内を散策しに行きました。
静寂が漂う夜の学校を探検
夜の学校はなんだか新鮮でした。いつも明るく賑わう校舎に「音」はなく、静寂が漂います。
「怖くないよね」
「むしろ独り占めしたようで、気分がいいや」
怖い気持ちを紛らわすように、いつもより近い距離で歩き、お互いを確認するように話し続けました。1Fの体育館から1年生の教室を抜け、職員室を通り、2Fへ。
2Fには2年生~4年生の教室があり、理科室と図書室もあります。学校の怪談じゃあないですが、理科室の人体模型とか二宮金次郎の像とか、どこで聞いたか定かではない怖い話を思い出しつつも覗きに。
「やっぱりダメかー」
「そりゃそうか、鍵掛かってるよね」
せっかく先生の目を盗んで抜け出したのに、どこも開いてません。渋々3Fの5年生~6年生のある教室へ。
やはりどこも施錠されています。「ちぇっ」、面白くなくなったので体育館に戻って寝ることにしました。
3Fから1Fまで降り、職員室の前を通りかかると、
「ジャーッ」
外の蛇口から水が勢いよく流れる音がします。
みんな寝てるはずなのに・・・ちょっとだけ怖くなってきたものの、好奇心で見にいきます。
もちろん玄関も施錠されているので、ガラス越しに確認。玄関先にある蛇口から水は一滴も出ていません。聞き違い?でも2人とも聞いているし。。。
なんだかゾッとした僕らは、急いで体育館へ向かいます。
窓の外に広がる異様な光景
職員室の前を過ぎ、あともう少しで体育館。1年生の教室を抜ける途中、中庭が見える窓ガラスに目を向け、僕らは立ち止まりました。
「なんだあれ・・・」
そこにあるのは間違いなく処刑台。空が赤く見えます。
「見える?」
するとT君も「うん・・・」と。
いつもはアサガオが咲き、瓜とかぶを育てている中庭に見覚えのない処刑台。見上げる必要があるほどに大きく、そこにはぼんやりと黒く人影のようなシルエットさえあります。
何が起きたのか理解できないまま見つめ続け、どれくらい時間が経ったでしょう。再び蛇口から水の流れる音がして、ふと我に返りました。
・・・おかしい。僕らは駆け足で体育館に戻り、そのままマットへ。
気付いたら朝でした。
あとから知ったことですが、地元の小学校はもともとは城跡だったといいます。その時代の名残りをとどめ、小学校は武者返しと言われる石造りの上にあります。
聞けば中庭はやはり処刑場であり、水飲み場は首洗い塚、斬首した首をさらし首にしたあと、血の付いた刀を洗っていたそうです。
なぜあのタイミングで不思議な出来事に遭遇したかは定かではありませんが、今も鮮明に覚えている小学校の恐怖体験です。
いかがだったでしょうか。
今回は自分自身だけでなく、友人も体験したお話。もしかしたら見える景色は伝染するのかも?そんなふうに思いました。
今見えている景色、印象。実際に違う景色を見ている人といれば、これまでとは違う景色に見えるかも。
実際、僕も入社以前と入社後とでは景色が違って見えます。興味がありましたら、ぜひご応募を。