今回は、地元で有名な『いわくつきのカラオケ店』のお話。僕と同じ地元民は知っている人も多いのではないでしょうか。
地元では有名な心霊スポット
その話を耳にしたのは中学生の頃、当時聞いた話では、なんでも「ゲームショップ店員が浮気現場を突きとめ相手を刺殺」、そんな殺人事件が起こった場所だそう。
もともとラブホテルが改装され、カラオケ店となっていたことは中学生の僕でも知っていました。(当時はオシャレなホテルだなぁくらいにしか思っていませんでしたが)
特に2階の20×号室はやたら綺麗に改装されていましたが、理由はその部屋が殺人現場だったからだそう。
人前で歌うことが恥ずかしいと感じていた僕は、その店に限らずカラオケ店に全然行きませんでした (笑)
ですが、噂話ではよく耳にしていました。
部屋で歌っていると視線を感じる。
マイク越しの声に重なるように女性の声が入る。
夜遅くに行くと、昼間にはなかった壁のシミが見える・・・等。
これまでも怖い話を書いてきた僕は、もちろん霊的なものを信じているタイプです。僕にとって、そのカラオケ店は行きたくない場所の一つとなっていました。
ノックの音がして扉を開けると・・・
高校生になり、仲間と集まることが増えて、そのカラオケ店に行く機会も何度かありました。最初は恐る恐るでしたが、特別な何かが起こるといったことはありませんでした。
しかし、気になったのはやはり改装したためか、部屋の間取りが少し不思議なところ。そしてカラオケ店なのにホテルのような匂い、わかりにくいですが独特の匂いがしていました。
何度か足を運んでいると、例の部屋に通される日がやってきました。ほんの数時間ですが、友達と2人で別の友達を待つ時間潰しに利用しました。
噂は聞いていたものの、別フロアでも特に何にも起こらなかったこともあって、恐怖心は麻痺していました。特に気にせず、なんなら面白おかしく盛り上がるくらいの気分で入室。
時間が少ししかないので何曲も入力し、ノンストップで歌いまくりました。女性の声なんて入らないし、まあただの噂話だろうと思っていました。
「ちょっとドリンクバー行ってくる!」
友達が部屋から出て、僕一人になります。ドリンクバーは決まった階にしかなく、僕らのいる階にはありません。友達は別の階まで行かなければなりません。
ちょうど友達の歌う番なのに・・・一旦曲を止めて帰りを待ちます。
少しだけ時間が経過し、ノック音がしました。さては何個もコップ持ってきたな・・・ドアを開けられないくらいに。僕は扉を開けに向かいます。
先にも記載しましたが、ホテルを改装したカラオケ店なので、部屋のドアはガラス張りではなく、重厚な飾り扉です。ギッっと重い音を立てて扉を開けます。
「あれ・・・??おかしいな」
そこに友人はいません。部屋の間隔も狭いし、聞き間違えたかな。そう思い扉を閉じます。
「ドンッ!ドンッ!」
閉めた途端、再びノック音が。すぐに扉を開きましたが、やっぱり誰もいない。僕は辺りを見渡しました。
廊下の奥、非常口の緑ランプが光る先を誰かが歩いています。病院で着る患者用の服を着ているように見えました。いや、ホテルの部屋着??
片方の肩が見えるほどに着崩れていました。まるで誰かと揉めて掴みかかられたように、引っ張られたように・・・
そんなことを考えていると、
「おいっ!」
後ろから声がしました。振り向くとそこには友達の姿が。
「ちょうど飲みたいのが品切れでさ、補充してもらってたんだ」
さっきドアをノックしたかと聞くと、やはり答えは「していない」。
特に黒い感情は感じませんでした。また悲しいような青い感情も感じず、ただ何か言いたげな雰囲気だけ・・・もの言いたげな口元が印象に強く残っている出来事・・・
その後は上京し、そのカラオケ店に行く機会は減りましたが、それでも地元へ帰った時には何度か足を運ぶこともありました。
その際・・・耳鳴りなのかもしれません、勘違いだと思いたい・・・ですが、いまだにあのノックする音が耳に聞こえてくるのです。。。
人の感情って不思議
はい、どうでしたか!今回はネットで調べても出てくる地元の有名なお話でした。もちろん実体験です!
ちなみに・・・本当に今でもそのカラオケ店に行くとノックの音が聞こえます(聞こえるような気がするが正しいかな??)
でも人間ってすごいんですよ、今は慣れて怖く感じることもなくなりました((+_+))
人の感情ってさまざまですよね。感情は自分の中の情報から生まれます。例えそれが正しくなかったとしても、その情報しか知らなければ、正しいと決めつけてしまう。
そんな人のさまざまな思いが飛び交う当業界。だからこその面白さがあります!
怖さに慣れることはあっても、人の助けて欲しいという気持ちに慣れることはなく、何度でも助けてあげたいって思っちゃいます。
そんな正義感あふれる方のご応募を、お待ちしております!!