こんにちは。店舗管理部の飯豊です。今回は、猛暑と戯れている話です。
日本の夏を楽しむ沢遊び
冬から春は雪山行が楽しめましたが、暑くなる季節、高い山々の雪が少なくなっていく頃、雪解けを残念に思う一方、新緑や花々の季節が訪れる事にも心躍ります。
それは、自然の深い茂低山帯の沢が人々を受け入れ始める季節です。
日本ならではの夏の遊びこそが『沢登り』や『源流釣行』でしょう。ただし、危険極まりないので、気軽にはできません!
『沢登り』や『源流釣行』とは?
『沢登り』や『源流釣行』では、人気の山々にある登山道を行く登山や、林道など何らかの道にすぐにエスケープできる渓流釣りと違い、安全ルートが無く、人とも会うことも少ないです(人にはまず会いません)。
『沢登り』では、人の踏跡無き原生の森に入り、沢を遡行しかなくてはなりません。
道なき道を行くことはもちろん、沢ならではの急な増水や、残雪の雪渓崩壊、落石地帯の通過、川を泳いだら、滝だけではなく泥壁の登攀、進行がままならない山野の藪をかき分けて進む藪漕ぎなど、自然の恣意性や偶発性に振り回され、また、熊や猪など野生動物との遭遇や、蛇(ヘビ)、蚋(ブヨ)、虻(アブ)、蚊(カ)などの脅威もある、恐ろしく危険でもある遊び。
『源流釣行』で釣る魚は、野生の岩魚(イワナ)狙いで、渓流でよくある養殖場で育てた放流モノの渓流魚ではありません。
過酷な沢を登り詰める源流部では、安全性を優先しながらも出来る限り軽量装備で遡行するため、釣り道具も3m程度の短い竿、釣り糸、毛鉤(ケバリ)のみの超単純で超安価ですむ”テンカラ”という、日本古来の伝統釣法で釣りますが、餌を使わずに毛鉤で釣るのが醍醐味です。
針のサイズは数種用意しますが、自作のいいかげんな毛鉤でも釣れてしまいます。
渓流をトコトン詰めて遡行した源流部での岩魚は、そもそも人間や毛鉤なんて知らないので、岩魚が活性化してくれていれば、この単純な古来の釣法でもすぐに釣れます。
魚が釣れずにお腹がすいたら、蛇や蛙を探しましょう。スゴイ人は鹿とか猪とか。。。
沢で人間の能力を増強
沢では人間の五感を最大限に活用するので、生きる力を呼び覚ますにはもってこいです。
日常の豊かな環境の都市生活では使わない「人間が生まれ持った鋭敏な感覚」が研ぎ澄まされていくように思います。
関東には、奥多摩、奥秩父や丹沢の沢などで、急峻な滝をヨジ登る登攀系、滑床や小滝を進む歩き系まで、様々な難易度の沢が楽しめます。
しかし、初心者向けの沢でも侮れません。一般登山道ではないので、高いレベルの読図・ナビゲーション能力(GPS情報をしっかり受信できない場合が多々あります)。
遡行、登攀だけではなく、脱出、撤退時の道筋をさぐるルートファインディング能力。登攀、クライミングに必要なロープワーク能力。万が一のときに山野で夜を明かすなど生き残る装備と能力。山菜の知識や、源流釣りと、深い山奥での焚き火料理ができれば、沢をもっと楽しめます。
そのほか、様々な技術、判断力、体力、そして精神力を求められます。
奥深い山の自然の中で、生まれ持って内に潜んでいる自らの感覚を研ぎ澄ませば、きっと仕事にもいい影響を及ぼし、それが結果となって表れるでしょう。