最近めっきり寒くなりました。私は寝る時、窓を開けて寝る派なのですが、朝起きると寒気がして目が覚めることもしばしば。冬の訪れを肌身で感じるこの頃、皆様はどうお過ごしですか?
出逢いの季節到来?
気温が下がると人肌が恋しくなりますね・・・とか言うと、また恋愛ネタの話題になってしまいそうですが、考えてみれば恋愛の話って一年中出来るんですよねぇ。
春:暖かくなってきて外に出るのも良いですね!⇒出逢いの季節到来!
夏:海にプールに祭りに花火!遊びが沢山!⇒出逢いの季節到来!
秋:過ごしやすい季節、行楽シーズン到来!⇒出逢いの季節到来!
冬:Boy meets girl 恋してる瞬間きっとあなたを感じてる Fall in love ロマンスの神様願いを叶えて!⇒出逢いの季節到来!
もうね、アホなんじゃないかと。一年中発情してんのか人類。
正直、冬と言えば『ロマンスの神様』っていう発想はいい加減、昭和過ぎるかもしれませんが、
春夏秋冬、四季折々の景色や風情を楽しめるのは日本人の特権だというのに。場所によっては夏と冬どころか雨期か乾期かの差しかないような国もあるというのに。
それだというのに、恋愛のことばかりなんてもったいなさすぎる!!
決して、自分に恋愛のチャンスが無いから僻んでるとかいうわけではなく、いやそりゃまあ少しくらいは羨ましいとかいいなとか思うけどそんなの本当ちょっとだし、ていうか彼女とかいらないし別にいいし!
芸術の秋なんて言葉もありますが
・・・取り乱してしまい失礼いたしました。
秋は特に、色んなものが盛んになりますね(もう秋を通り越して冬本番の勢いですが)。「食欲の秋」とも言いますし、秋冬の季節は美味しいものもたくさんありますね。でも、今年は少し趣向を変えて、芸術や文学に触れてみるのはいかがでしょうか。
そこで私がおススメするのが『短歌』です!
「短歌」と聞いてまず思い浮かぶのは、学生の頃に教科書で目にしたような与謝野晶子や石川啄木、北原白秋など、もはや歴史上の人物といった感じの人達が遺した作品を考える人も多いと思います。
そして、短歌と似たもので「俳句」がありますが、「短歌」と「俳句」の違いがよくわからない人も多いのではと感じる今日この頃。
折角なので、そのあたりの説明も含めてお話ししてみますね。
「短歌」ってなんなの?
そもそも、短歌とはなんなのか?
その答えは滅茶苦茶シンプルで、「五・七・五・七・七」の音で構成された和歌のことです。なので、この「五・七・五・七・七」で文章を創れば、それが短歌となります。
対して、俳句は「五・七・五」の音で構成され、さらに季語や切れ字などの特殊ルールがあって少しややこしいという違いがあります。
つまり「短歌」はアホでも簡単に楽しめる文化なんですね♪
実はこの短歌という文化。多くの人には馴染みが無いかもしれませんが、現代でも意外なほど多く愛好家が存在しております。
現代の言葉で、現代人の感覚で、現代の生活や社会を表現する。私は、この現代短歌が結構好きなんです。
現代のおススメ短歌
今も昔も、短歌を詠む人の事を歌人と呼びます。現代の歌人で有名な人には、つい先日ネットニュースでも話題になった常にセーラー服を着ているので私も大好きな「鳥居」さんなどが居ますね。そんな現代歌人の中に、私が短歌にハマるきっかけとなった歌人の「枡野浩一」さんがいます。
少し、以下に枡野さんの短歌をご紹介します♪
『カッコして笑いと書いてマルを打つだけですべてが冗談みたい(笑)。』
これは、「(笑)」を上手く使いつつ、トリッキーでエスプリの効いた短歌です。文字の数だけを見ると短歌のルールを破っているように見えますが、会話でもメールでも実際には発音しない「(笑)」を使う事で、感情や印象を与えつつ短歌の形式を保つという・・・技ありの一首だと思います。
『好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君』
なんでしょう。一読しただけでは、単なる言葉遊びにしか見えません。でも、少し立ちどまって考えてみると・・・別に雨が好きじゃなくても、そんなに辛い思い出があるわけじゃなくても、雨音を独り聞きながら昔の恋を思い返すような、なんだか切なく苦しい気持ちにさせる、エモい一首!
『気づくとは傷つくことだ 刺青のごとく言葉を胸に刻んで』
『こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう』
『無理してる自分の無理も自分だと思う自分も無理する自分』
『君はそのとても苦しい言いわけで自分自身をだませるのかい? 』
もはや挙げればキリが無いほど、枡野さんの短歌は勇気をくれるものが多いです。上に挙げた四首は特に、疲れた時に自分を励ましてくれるような、また頑張ろうという気持ちにさせてくれます。
形式さえ守れば誰でも詠めちゃうんです
5・7・5・7・7の音数だけを守れば短歌は成立します。そのため、少し慣れてしまえば誰でも短歌を作れるのが魅力的なところ。
31音という限られた中で、どれだけ感情を込め情景を想像させるかというストイックな楽しみ方もあれば、例えばその日一日の思い出を短歌にして日記に添えたりなど、プライベートな楽しみ方も色々できます。
もし時間を持て余すことがあれば、ぜひお試しになってはいかがでしょうか^^
最後に、拙作を添えて・・・
この道は 懐かしい道 たまらなく 好きなあの子と 歩いた道だ
柄にも無く、センチメンタルな私でした。