皆さん、こんにちは!店舗管理部の花岡です!あっという間に今年も年末が近づいてきました。思えば今年は早かったなぁ(自分史上最速の一年でした。。。)皆さんはいかがでしょうか??
さてさて、今月は先月からの続き物です!現在も愛されるクラシカルロック編第二弾!~ハードロックの始祖 二大ロックバンド~ザ・フー と レッドツェッペリン です!
今回は何かと比べられることが多い彼らについて、その成り立ちと音楽性から比較していってみようと思います!
●ハードロックの始祖
はい!ついにやってきました!Zep & Who!
どちらも、本当に未だに愛されてやまないロックバンドです。ロックを知り始めて、最初にルーツを追っていく際に、大半の人が行き当たるバンドなのではないかと思います。
ザ・フーとレッドツェッペリン、この2つのバンドは共に60~70年代にイギリスから生まれ、そして当時世界を荒らしまわったモンスターバンドです。
日本では(特にオジサン達には)ツェッペリンの方が人気ですかね。
彼らはともにブルースを速くする、いわゆるロックンロールから始まり、だんだんと独自色を強めていきます。
彼らからハードロックが始まったと言われることもありますが、その特色は私はツェッペリンが「ヘビのようなウネり」、ザ・フーが「大爆発」にあると思います。
もう一つ、ツェッペリンが「かっこいい」、ザ・フーが「ものすごい」(笑)
※↓TheWho
この二つの違いは、ツェッペリンがサウンドの強靭さを求めて、隙のない鋼のような連携を打ち出していったのに対し、ザ・フーは文学性を持つ楽曲の中に、自分たちの感情をこめて、サウンドと共に大爆発させる、というカラーの違いからきていると思います。
●二人のドラマーとの出会い
ザ・フーのドラマーはキース・ムーン。「ムーニー」という愛称で呼ばれていたのですが、彼は奇人変人と言われることが多かったようです。
プレイスタイルは千手観音のように見えてしまうくらい、手数がものすごく多く(笑)、どんだけドコスコやるんだ?というくらい、ものすごい動きをしています。
※ドラムセットもものすごく多いドラムが用意されている(笑)
ドラッグの多量摂取、SM癖、常に酩酊状態。。。ライブ中もふざけているのかなんなのか、わからない奇声を発するのですが、ドラムを叩かせるととんでもない。。。(笑)
その昔、まだ駆け出しのザ・フーがライブをやっていたとき、ステージの一番真ん前でじーっと見つめてくる少年がいたそうです。
ライブが終わった後、ギタリストのピートにその少年が話しかけてきました。
「あのドラマーよりも俺の方がうまい。俺に叩かせろ」
なんだこのナマイキなガキは。と思いながらも試しに叩かせてみたら、とんでもないプレイを見て驚愕してしまったため、ピートはそれまでのドラマーをすぐにクビにし、その少年、ムーニーをザ・フーに加入させました。
実はこの頃、ロンドンのこの界隈にとんでもないドラマーがいると、ちょっとした有名人だったムーニーを、後のレッドツェッペリンのギタリスト、ジミーペイジが自分のバンドへ加入させようと裏で動いていたらしいのです。
よし、動きだそう!という時に、まさかのザ・フーへの加入。ザ・フーはめきめき有名になっていきました。
自分の描いていた構想が崩れてしまったジミーペイジ、どうしようかと思っていた時期、ジョン・ボーナムとの運命の出会いがありました。
ジョン・ボーナム、「ボンゾ」の愛称で知られる、レッドツェッペリンのドラマーです。
ムーニーは若いころ細身で、腕も細い、どちらかというといかにもイギリス人の少年のような、痩せ形だったのに対し、ボンゾはすさまじい筋肉質。緻密に一つ一つの音を、とんでもないパワーでぶっ叩く。まるで脳みそまで筋肉でできているような、狂いのない正確なドラミングをします。
恐らくこの出会い、ジミーペイジは狂喜乱舞したと思います。自分の構想がまた新しく開花した瞬間だったのではないでしょうか??
●ドラマーとギタリスト、それぞれの独自性
さてさて、天才的なとんでもドラマーと緻密な筋肉ドラマ-に出会ったそれぞれのギタリスト、ザ・フーのピートタウンゼント、レッドツェッペリンのジミーペイジ。彼らは、ドラマーに触発されて、どんどん自分たちのカラーを打ち出していきます。
ザ・フーは前述のように、音楽の中に物語を詰め込んでいきます。中でも有名なのはロックオペラといわれる「Tommy」です。
目も見えない、耳も聞こえない、口もきけないトミー少年が、人生の中で覚醒し、そして崩壊へ向かう。叙事詩形式になっているコンセプトアルバムです。
一曲一曲が、物語の1ページにあたる形式となっており、トミーの人生を描いていきます。
ロックで紡がれる物語は、未だにたくさん模倣されていますが、おそらくこういった形式をはじめたのはザ・フーが最初だったのではないかと思います。
物語の内容は少しふざけているのですが(笑)、それを支えるために4人がロックバンドのくせに黒子に回っている感じ、私はとっても好きです。
あ、でもやっぱり最初に聴いてほしいのは、違うアルバムですが「Baba O Riley」(笑)。下にのっけておきますね(笑)
※もっとも有名な曲は「My Generation」
対するレッドツェッペリン。
彼らも前述のとおり、強靭で強固な楽曲を作成していきます。ザ・フーが今にもみんながバラバラになってしまいそうな、ぎりぎりで一触即発の危険性を孕んでいるのに対し、レッドツェッペリンはどこまでも計算し、一つ一つを組み上げていきます。
それはボンゾという強靭な筋肉によって叩き上げられたリズムと、その筋肉にしなやかさを持たせるような、まるで地を這うヘビのような絡みをするベース(ジョンジー)が土台を作り、その上にギターが乗ってきているように見せかけて、実はそれらすべて指示しているのがギタリスト、ジミーペイジ。
ボーカル(ロバートプロント)ももちろんすごいのですが、もはや彼はおまけにすぎません。
彼らの代表的な名盤は何かと言われたら、正直迷ってしまいます。どれも間違いないです。
ただ、この緻密に計算されたウネリはどのアルバムでも見れるのですが、特に私が好きなのは6枚目の「フィジカルグラフィティ」です。
その中の「Trampled Under Foot」、同じリズムとフレーズを何度も何度も繰り返すうちに、それが中毒のように頭の中をしびれさせるような感覚になってきます。
※有名なのは4枚目に入っている「天国への階段」、3枚目に入っている「移民の歌」あたりですね!
●ドラマーとの別れ
自分たちの独自性を作り出し、何物も寄せ付けないくらいに大きくなり、ハードロックの始祖といわれるくらい未だに愛される彼らですが、彼らには決定的な違いがあります。
それは、どちらもドラマーが早逝してしまったことでとった選択肢から、はっきりと明暗が分かれてきました。
フーのムーニーはドラッグの過剰摂取。ツェッペリンのボンゾもドラッグと、同時にハードリカーの過剰摂取。ある朝、心肺停止で見つかり、そのまま亡くなりました。
2人とも時期は違えど(2年のタイムラグ)32歳、ものすごく因縁めいたものを感じます。
どちらのバンドも色を出すためには、それぞれのドラマーがいなくては成り立たないくらい、2人はバンド内で重要な位置を占めていました。
ツェッペリンはボンゾ以外にはこのサウンドを出せないとして、解散をしました。
フーは悩んだ挙句、違うドラマーを加入させ、継続を選びました。
結果、ツェッペリンはいまだに色褪せないまま、輝き続けていますが、フーはその後落ち目なども経験し、ロックバンドを続けていくことの難しさを露呈することになりました。
フーの文学性の中には、今のパンクに通じる少年性、凶暴性が含まれています。大人に対する牙を、大人になった彼らが持ち続けていくことは、非常に難しかったのではないかと思います。
●まとめ
最近、漫画キングダムを読んでいます。中国の「秦」が春秋戦国時代を制覇するまでを描いた歴史漫画なのですが、この中で思い出しました。昔の教科書って、歴史を縦で追っていくことが多かったのですが、横に追っていく、つまり世界情勢からその時代、国の歴史を追うと理解しやすかったなと。
そこで今回はロックにおける重要な同時代同年代バンド、フーとツェッペリンを横で追ってみようと思い、今回の企画としてみました。
書いててなるほどと自分で納得いくことが多く、面白かったなと思います。
仕事でも、目の前のことだけでなく、全体感を持ったり、組織としての自分の役割など、視野を広げていけたらなと思います。
あ、それと、今回は出てきませんでしたが、フーのボーカル、ロジャーダルトリー、同じくフーのベース、ジョンエントウィッセルもものすごく逸話を持っている人たちです。それはまたそのうち!
ではでは、年末も近いです。みなさん寒さに負けずお過ごし下さい!
ではでは~~~!