皆さん、こんにちは!店舗管理部の花岡です!
夏の足音が聞こえてきました、春の終わりの今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか?
さてさて、今回はロックを感じる名画集ということで、ロック好きなら誰もが通りすぎる映画をご紹介していこうと思います!ち・な・み・に!ハイパー個人目線ですので、今回も悪しからず!(笑)
※絵画だと思った方、ゴメンナサイ!!
●ゆきゆきて、神軍
皆様、肩書きに「アナーキスト」とつくような人、日本にもいたことをご存知でしょうか?この『ゆきゆきて、神軍』はかつて日本にいたアナーキストを追ったドキュメンタリー映画です。
無政府主義者と訳されるアナーキスト。体制に疑問を感じ、体制に反抗し、周囲の理解を得られずとも自分で体制に歯向かう。と、まぁ、このような形で説明できるとは思うのですが、この歯向かい方が弁論やデモクラシー的な行動を取るなら、まだ大衆の理解を得られるかもしれません。しかし、暴力で達成しようとすると、それはテロリズムとなってしまいます。
今から約30年前、そのような人が日本にもいました。有名どころでは連合赤軍と呼ばれる一派による様々な事件もありましたが、それとは別に、単独で過激行動に出るアナーキストがいました。
その名は、「奥崎謙三」。
殺人罪、昭和天皇への暴行(パチンコ玉を打つ)、昭和天皇への不敬罪(天皇に対してのポルノビラ)等により獄中生活を10年以上送っている経歴を持ちます。
彼は太平洋戦争時に少年兵としてパプアニューギニアへ派兵され、終戦を迎えるとともに帰国の途に着きます。
軍隊では上官の命令は絶対、歯向かうことは論外、という認識は誰もが聞いたことがあるとは思いますが、その頃の日本軍にもそのような傾向が強くありました。上官がどんぶり山盛りのご飯を食べている間、末端の兵士達はほんの少ししか食料を与えられず、慢性的な飢餓状態にあったり、上官から謂れのない暴力を受けたり、末端の少年兵が前線に立たされたり。
奥崎謙三が所属する部隊にもこのようなことは日常的にあったのですが、ある日一つの事件が起こります。
8/14のポツダム宣言受諾、8/15の昭和天皇による玉音放送終了後の8/18?、8/19?に、この部隊のとある上官が少年兵2人を射殺するよう命令を出しました。通常、軍の規律に背き、射殺にいたるまでは、軍法会議にかけられ、死刑が決定された後に、しかるべき順序を踏んで処刑が決行されるはずです。この少年兵2人の射殺には疑問がたくさん残る結果となりました。
このような戦時中の理不尽さを経験した奥崎謙三は、徹底的に上官に暴力を持って歯向かい、無事に帰国することが出来たのですが、一つの疑問を持つようになります。
たくさんの政治家や軍人は裁かれ、現地ではたくさんの少年兵が命を落としました。しかし、なぜ昭和天皇は戦犯として裁かれないのか、昭和天皇は戦争責任を何も果たしていない。昭和天皇は日本の国民の神だったんじゃないのか。だましていたのか。
そのような思考からアナーキスト、テロリストとしての道を歩むようになります。活動の中で上記の少年兵2人に対しての銃殺事件を追い始めます。当時の軍の上官たちに終戦後30年ほど経てから、その時何があったのか、なぜ少年兵2人は銃殺されなければならなかったのか、話を聞きに回り始めることで、事実ではなく真実がだんだんと浮き上がってきます。
『ゆきゆきて、神軍』の原監督はその活動を追い続けました。作中でも暴力が発生し、さらに食人の経緯が浮き彫りになるなど、かなり生々しい記録をドキュメンタリー映画として仕上げています。
しかし、果たして、ロックと何が繋がるのか。
奥崎謙三の行っていた行動は決してロックではないと思います。殺人、暴力、テロリズム。そのようなことは決して許されることではないです。しかし、何かに疑問を持ち、自身で考え、自身の信念の元、行動するということ自体にはロックを感じます。
体制に歯向かい、通常の枠外から反れてしまった人は、体制の枠内にいる人から嘲笑を浴び、最終的に体制に潰されることがほとんどです。ロック映画としてよく紹介される「イージーライダー」も、そのような話だと思います。
二時間半ほどある長い映画ですが、よろしければひとつの経験として観てみてください。
●地獄の黙示録
ゴッドファーザーシリーズを撮影した、フランシスフォードコッポラ監督による、こちらも戦争映画です。こちらはベトナム戦争時下のベトナムを舞台にした映画です。
あらすじとしては、米軍中でもかなり有能で戦歴が光る将校がいました。将来も約束された優秀な将校がある日、軍隊から抜け出します。彼は米軍とは別の行動進路をとり、カンボジア、ベトナムの民兵を率いながら、手段を問わない方法で軍を指揮し始めます。
米軍としては、そのような勝手な行動は軍の規律を乱しますし、なによりも残忍な手段をとるその将校が目障りになり、極秘裏に排除することを決めます。そこで、一人の兵士(マーティーンシーン)に秘密任務が与えられます。
彼は、その将校の足取りを追い、なぜそのような行動に移ったのかを考えます。また、その足取りの中で、通常の部隊に所属する様々な将校や兵士と接点を持ちますが、彼らもまた普通では考えられない異常な行動を取っているという実情を知ります。
上層部は部隊を抜けた将校を排除したがっているのに、なぜこのような一般将校や兵士を放っておくのか、主人公の兵士は、疑問を持ち始めます。
だんだんと主人公の兵士は、部隊を抜け出した将校に惹かれ始め、自分の中にも狂気が存在するということに気づいていきます。
人は自分の意識の範疇外の異常に触れると、だんだんと狂気を帯びていく。それを「戦争」という表現ツールを用いて描いている映画だと思います。
当然といえば、当然のことかもしれません。人の心とは何なのか、そういったことを「暴きに行く」という作品の作り方が、リアルを表現しようとするロックと繋がると思います。
また、面白ネタとして、この映画自体も狂気を描いてはいますが、撮影現場も相当のドタバタだったようです(笑)
- 4ヶ月の撮影期間が、現地での台風やアクシデントにより、1年半まで延長された
- マーロンブランドがセリフを覚えていない
- デニスホッパーが本当のヤク中だった
etc etc・・・
●まとめ
今回は超個人目線でロックを感じる映画として、2作品をご紹介しました。最近、映画鑑賞の熱が上がってきておりまして、映画ネタで行こうと思いました。まだまだ、ご紹介したい作品もあるのですが、なんせ話が長くなる傾向にありまして。。。さっせん!! 今度はもう少し短めでオススメできる準備をしておきます!
映画もロックも物事への向き合い方は共通していると思います。その手段が音楽なのか、もしくはフィルムなのか、物語なのか。
表現の仕方は様々ありますが、一つの「想い」を「形にする」というのはどのような仕事にも通じることだと思います。このような作品に触れ、物を作る、形にするということに対する活力を頂き、仕事にも活かしていければ、と思う今日この頃であります。
今回はこのあたりにして、また改めて映画のご紹介をさせて頂ければと思います。
初夏凛凛とした季節も近づいていますが、まだ夜は冷えますので、皆様お体にはお気をつけ下さい。では~~~~~~~~~~~!!!!!!