最近はすっかり暑くなりはじめ、寝苦しい夜が増えてきましたね。いい感じに寝不足になって困ってしまいます。
■はじめての親知らず抜歯
先日、親知らずを抜歯しました。
お医者さん曰く、上の歯で頭も出ているので抜く難易度はそれほど高くないとのことでしたが、なにぶん生まれてはじめて親知らずを抜くものですから、なんだか緊張してしまいました。
実際は「あれ?もう終わり」みたいに呆気ない結果だったので、ホッとしていいやら、ネタ的に面白くないやら、ちょっと複雑な感想でした。
■「ワザップジョルノ」
突然ですが、「ワザップジョルノ」ってご存知でしょうか?ご存知ないならぜひ検索してみてください。なかなかくだらないけど面白いです。
かいつまんで説明すると、ゲーム情報サイトでガセネタを掴まされて、大事なセーブデータを消してしまい、それに対して怒った人の書き込みが元ネタです。これが勢いのある味わい深い文章で、ジョジョの第五部主人公のジョルノ・ジョバァーナ味があるのがなんだかウケた、という流れです。
ことの顛末だけを見れば、ネット上ではよくある微笑ましい(?)やりとりの一幕なのですが、ガセネタを書いた人を「詐欺罪と器物損壊罪で訴えてやる!」と意気込んでいて、本当にそれが可能なのかという点が疑問に残りました。
結論から言うと、上記の件に関して「詐欺罪」「器物損壊罪」で訴えるのは難しいとの見解でした。しかし、ネット上で起きたトラブルで相手を訴えること自体は可能だということを、この件を調べてはじめて知りました。
■ネット上の相手を訴えることはできる
「何を当たり前のことを?」と思う方もいるかもしれませんが、ネット上でのトラブルで誰かが訴えられた、裁判した、なんてことは自主的に調べないと出てこないんですよね。
ニュースで取り上げられるなんてことは、よほどの大事件でもない限りはありません。でも判例はかなり多いようです。
もっとも多く取り上げられる例は、「誹謗中傷」「名誉毀損」だそうです。情報交換の場であるネット上では、その性質上、これが発生しやすいようですね。
各SNSや匿名掲示板では、これらに該当する書き込みが日常的に行われているので麻痺しがちですが、内容の如何によっては立派な犯罪として成立する場合もあります。あと、デマではない事実を陳列しても、場合によっては「名誉毀損」に該当するそうです。面白いですね。
でも、ネットは基本的に匿名性が担保されています。どのようにして画面と回線の向こうにいる、顔も知らない人間を訴えることができるのか。
そこで利用されるのが、プロバイダ責任制限法第4条に基づく情報開示請求です。これは、加害者(発信者)の発信源をプロバイダを通して開示させ、匿名性を引っぺがして相手を特定するものです。
身近なものでいえば、スマホや携帯電話で割り振られた個別情報を、第三者に見せてしまうようなことですね。
個人情報を取り扱うため、いろいろ複雑な条件もあり、そう簡単に開示はされることはありませんが、ここでは説明が長くなるため割愛します。
ただ、そうしたトラブルが特に多いツイッター社なんかは、素行の悪いユーザーに対しては、あっさり情報を開示したりするする場合もあるようですね。
けれど開示したら勝ちではなく、そこから本格的に裁判するのか示談にするのかの検討段階に入ります。相手の存在を特定するだけなので、過信や勘違いは禁物ですね。
ただ、ネットというのはそういった行いがログという形で残ります。普段の言動が悪い人間ほど、開示によって過去の言動が掘り返されて不利になるのは間違いありません。それらは立派な判断材料になるのですから。
ちなみにですが、相手が匿名に隠れている状態で、口論するのは厳禁とされています。
これにはもちろん理由があります。口論することで「ネット上でのいざこざ」として処理され、開示請求が通りにくくなるからです。
要は加害者に悪口を言われ続け、激昂して言い返せば言い返すほど、被害者が不利になるという仕組み。理不尽ですね。ですが事実です。
■匿名は無敵の鎧ではない
プライバシーを守るために、ネット上での匿名性自体は不可欠だと思います。
ネットというのは隔絶された世界ではなく、あくまで今生きる現実との地続きなわけですから、望んで前に出るのでなければ、個人情報は出さないに越したことはありません。
ただし、これはあくまで自身を情報の海から守るための最低限の権利でしかなく、これを笠に着て悪いことをした場合は、簡単に剥がせてしまうものなのです。
悪気はなかったとしても、気軽な気持ちで相手を中傷していい理由などどこにも存在しません。
ネットとは個と世界を繋ぐためのツールであり、ちゃんと使えば無限の可能性を秘めています。しかし誤れば我が身を滅ぼす悪魔のツールにもなります。
調べるきっかけは些細なものでしたが、令和に入り、今後も加速し拡大していくネット社会において、今一度この世界での身の振り方を考えておこうと思う一幕でした。
最後に補足しますけど、別に僕個人は特にそうしたアクシデントに巻き込まれておりませんのでご安心を。ただ、これからの人生、そうした場面に遭遇した場合、知っておいて損はない情報かと思います。