みなさん、こんにちは!まっつーです_(._.)_
今回から、一般的な企業を想定してAIの活用事例をご紹介していきます。
ビッグデータとサイレントマジョリティ
AIによるマーケティングを考えたとき、現状でもビッグデータから自社製品に関する要望やニーズを集めて分析することは可能です。集めたデータの中から新規製品を開発したり、新たに機能を追加したりすることは難しくありません。
しかし、サイレントマジョリティの意見が反映しにくいという問題があります。これは本来発信するべき考えがあっても、どこにも反映されることがないので、なかなかその声を拾うことができないのです。
そうしたサイレントマジョリティについては、こちらから積極的に、そして能動的に情報を取りに行く必要があります。
マーケットのニーズ
例えば腕時計メーカーの社員の場合を考えてみましょう。インターネット上の腕時計に関するさまざまな声をAIに分析させたところ、日付や時刻だけでなく、気温や気圧、高度や方角など、アウトドアでも使えるような時計に人気があることがわかったとします。
そして、現在のアウトドア用の時計は、気温や高度について正確性が足りないよいうような声が多いことを知れば、このあたりを改善した製品の企画を考えることができます。
要するに、製品の改善点を見つけて、もっと売上を伸ばそうという経営目的にそって、集まったアンケートを分析しよう、この分析は面倒だからAIに任せよう・・・という流れです。
しかし、これで本当にマーケットのニーズをとらえたと言えるでしょうか?
AIによる2つの視点を持ったマーケティング
アンケートというのは、ある程度積極的な意見を持ち、回答する意志のある人が対象となります。しかし、世の中には何か思っていることがあっても、わざわざアンケートに答えない人や、潜在的には思ったことがあっても、それ自体に気付かない人もいます。
AIにアンケートを分析させただけでは、こうした声は拾えません。また、これまでのマーケティングは、市場、つまり人の群れを全体的に捉え、そこに何らかの条件を与えたときに、人が全体としてどう動くかという傾向を見てきました。いわゆる「鳥の目」です。
もちろん、こうした視点もマーケティングには必要ですが、一方で本当に実在する人の声をたくさんかき集めて、全体を作るという、いわゆる「アリの目」も必要です。
例えば、SNSに投稿された内容から、AIが一人一人の性格や興味を診断して需要動向を割り出す、といった具合です。
新しい製品を企画する場合、オリンピックなど、その時の旬の話題に影響されがちです。しかし、AIがサイレントマジョリティを拾って個々の特性や性格まで検討するようになれば、時事ベースに影響されない静かなニーズを取り込むこともできるようになるわけです。
今まで営業パーソンやマーケターが気づかなかった売れ筋を見つけるという、AIならではのマーケティングが今後は主流となっていくかもしれません。