台風の脅威も過ぎ去り、肌寒い夜も増えて、少しずつ冬が近づいているのを感じますね。
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『映画クレヨンしんちゃん』シリーズの魅力
この頃、休日は「アマゾンプライム」で映画ばかり観ています。気が向いたときに配信で映画を気軽に観れるのは、本当に良い時代になったものだと実感します。
最近は『映画クレヨンしんちゃん』シリーズにハマッています。カテゴリ的には”キッズ向け”ではあるのですが、P○Aが名指しで「子供に見せたくないアニメ」にリスト入りさせているように、子供向けなのか大人向けなのかよくわからない作品ではありますよね。
そこらへんは保護者の裁量によるんでしょうか。まあ実際に観てみると“子供から大人まで”楽しめる作品であるんですよね。
劇場版『クレヨンしんちゃん』は、「野原一家を活躍させる」or「かすかべ防衛隊を活躍させる」・・・このどちらかを中心に抑えておけば、映画としてのジャンルは特に制限がないようです。
そのため、タイトルごとに毎回異なった表現や趣の作品に仕上がっており、どれを観ても新鮮なネタで楽しむことができます。
実際は主にコメディとSFの傾向が強いですが、それ以外にも冒険活劇、時代劇、サスペンス、アクション、ファンタジー等・・・わりと監督やアニメーターがある程度好き放題している感じがします。
その傾向は特に2004年以前の作品に強く、アニメ映画を楽しむ意味でも自分の好みに合う作品が多かったようです。
『モーレツ!大人帝国の逆襲(2001)』
映画シリーズを観るきっかけとなった一作。キッズ向け映画という先入観がひっくり返る作品です。というよりも、シナリオから画面構成などが、明らかに“子供と一緒に観ている親”に向けて作られているのがわかります。
冒頭からしてウルトラマンのパロディで「撮影技術」を描写したりして、これは”そういうネタ”として知っていないと笑いどころがまず理解できません。
背景や音楽も高度経済成長期を、当事者として体験した世代でないとわからないものが多く、子供だとチンプンカンプンだと思います。
その懐古の時代に回帰したい大人と、未来に進んでいく子供たちと、結局それでも未来に進まざるをえない親子をテーマに据えたのがこの作品です。
基本的な視点や活躍はしんのすけがこなしますが、主人公という意味ではひろしも主人公で間違いないでしょう。
このタイトルはよく「感動作品」として挙げられますが、どちらかといえば監督や脚本家、そして制作スタッフの熱意が、結果として感情に直接訴えかけてくるようになったものではないかと自分は思います。
監督が翌年の『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』と並んで、これ以上のものはもう作れないとコメントしてるのもうなずけます。
『ヘンダーランドの大冒険(1996)』
魔法とか魔女(オカマ)とか出てくるファンタジー色の強い作品。
「野原一家」という家族を活躍させる主軸の劇場版で、終盤まではしんのすけがほぼ一人で頑張るという、今では珍しいお話。
子供が見てはいけないものを見てしまい、逃げ帰ってきたはいいが自分の日常にまで悪役が侵食してきて、やがて孤立させれてしまうが、いろいろあって勇気を出して問題に立ち向かうという、童話チックな流れが印象的です。
基本的にコミカルな会話で話は進んでいきますが、ひろしとみさえと合流できるまでは、かなり心細い戦いだったとも思います。
そこから一転して、終盤のオカマ魔女との決闘は、いろんな意味で笑えたり圧倒されたりしました。なんだかんだハッピーエンドはいいものです。
『雲黒斎の野望(1995)』
時代劇かと思ったらSF作品でした。
そもそも現代人である野原一家で時代劇をするためには、タイムスリップは必然なのですが、”タイムパラドックスによる未来改変を防ぐ”ために、野原一家が最初からそのサイクルに組み込まれているという、ガチガチのSFだとは思っていませんでした。
時代劇のほうもしっかりと作りこまれており、特に終盤の大人になったしんのすけが太刀を振り回して戦う殺陣は必見です。
『電撃!ブタのヒヅメ大作戦(1998)』
『007』や『コマンドー』みたいなアクション映画やりたかったんだな、とすぐに判るぐらいそういう映画の要素がふんだんに盛り込まれている一作でした。
声が玄田哲章の筋肉モリモリマッチョマンの欧米人が出てきたり、香港で当然のように銃撃戦をやったり、飛行船からの脱出劇をやったり、悪の秘密組織の基地に潜入したり、その野望を阻止したりなどなど。
いわゆるスパイやアクション映画の王道を網羅しつつ、クレヨンしんちゃんのテイストで料理したような作品です。
何気に劇場版で、ぶりぶりざえもんが意思を持ってしんのすけと明確に対話した貴重な話でもあります。
『嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード(2003)』
多分、良い意味でも悪い意味でも、監督をはじめとするスタッフが一番暴走した作品なんじゃないかなあと、そう思わずにはいられない一作でした。
お話としてはちゃんと(割と下らない理由が発端とはいえ)筋が通っていましたし、
スピード感等のエンターテイメントを楽しむのなら、またとない娯楽コメディだと思います。
「野原一家を活躍させる」or「かすかべ防衛隊を活躍させる」の両方を満たしてもいますし。
焼肉を食べたいという目的のためだけに、ひろしが女装を熱演し、そこからゲ○に狙われたり、突然人物の作画がリアル調になったり、しんのすけがスタイリッシュにロードバイクを乗りこなしたりetc・・・とにかく登場人物が八面六臂の活躍をするので、退屈なシーンが全然ありません。
ただ、意識的にしろ無意識的にしろ、作品の粗を探してしまうタイプだと、余計なことが気になってしまうのもわかります。
具体的には「春日部 熱海」でワード検索にかけると、その答えがわかります。まあなんというか、細かいことを気にしたら負けだと思います。
特に印象深いのはこれらのタイトルでしたが、ほかにも『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦(2002)』『暗黒タマタマ大追跡(1997)』『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(2004)』『爆発!温泉わくわく大決戦(1999)』『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014)』『爆睡!ユメミーワールド大突撃(2016)』、この辺もお気に入りです。
次はどれを観ましょうか。