こんにちは!千葉の宮本です。前回に引き続き今回はオルフェーブル産駒の成績&今後の注目馬について書かせて頂きます!
現2歳の成績
初年度産駒となる現2歳はここまで(2017年12月3日終了時点)に73頭が出走し、その内7頭が勝ち上がりました。2勝以上がロックディスタウンとラッキーライラックの2頭。
ここで同じく新種牡馬のロードカナロアと較べてみると、オルフェーヴルがアベレージヒッターではなくホームランバッターだということがわかります。
出走頭数 | 勝馬頭数 | 勝利数 | 重賞勝馬 | |
---|---|---|---|---|
オルフェーヴル | 73 | 7 | 9 | 2 |
ロードカナロア | 78 | 27 | 32 | 0 |
オルフェーヴルとロードカナロアの出走頭数はほぼ同数にもかかわらず、勝馬頭数や勝利数は大きく後者が引き離しています。その替わり、重賞を勝ち切っているのが前者です。これらの成績が産駒の特徴を端的に表していると言えるでしょう。
ロックディスタウン
それでは、オルフェーブル産駒で2戦2勝、重賞勝ち馬となった注目の一頭『ロックディスタウン』をまず見ていきたい。
ロックディスタウン(2歳牝馬)
父 :オルフェーヴル
母 :ストレイキャット
厩舎:二ノ宮敬宇(美浦)
生産:社台コーポレーション白老ファーム
ロックディスタウンは直線の長い新潟芝1800mの新馬戦を、上り3F32.5の脚でアッサリと勝ち上がり、重賞レースへと駒を進めました。
牡馬混合の札幌2歳Sはタフな馬場をものともせず、3コーナー過ぎから馬場の外目を捲ると2着ファストアプローチをパワーでねじ伏せる強い競馬。
この重賞勝利は、新馬戦で見せた「素質」が確かなものであることを示す1戦となりました。札幌2歳Sが1800mの距離で行われるようになった1997年から、牝馬による勝利は2013年のレッドリヴェール以来となる2頭目。ロックディスタウンにとっては、年末の2歳牝馬GⅠの阪神JF、そして来春のクラシックへ向けて大きく展望の拓ける勝利だったと言えます。
血統
母ストレイキャットは3連勝でクイーンC(GⅢ・東京芝1600m)を制したキャットコイン(父ステイゴールド)、今夏に1600万下のレースを勝ってオープン入りを果たしたワンブレスアウェイ(父ステイゴールド)などの活躍馬を出している好繁殖牝馬。
ロックディスタウンは父がオルフェーヴルに替わり、上記2頭の姉とは4分の3妹にあたります。新種牡馬の父はノーザンテースト4×3のクロスをもつため、ステイゴールドよりもパワー型の産駒を出す確率は高いと言えるでしょう。
Storm Cat産駒のストレイキャット自身はノーザンテーストの血をもたないものの、Northern Dancerと同配合のIcecapade(Nearctic×Native Dancer)を引くため、この2頭の3×4のクロスをもちます。また、ノーザンテーストと似通った血のStorm Birdをもつことから、ロックディスタウンは姉たちよりもパワー型に振れています。
この馬はキャットコインよりもワンブレスアウェイに体型も走りも似ていて、牝馬としては馬格に恵まれているのも好印象。
ルメール騎手が札幌2歳Sのレース後に「小回りは忙しい」とコメントしていましたが、配合から小回り向きです。
今後は、母ストレイキャットの仔は2歳〜3歳春にかけて、そのスピードとパワーで重賞でも好走する仕上がり早のタイプが出ます。ロックディスタウンは小回り向きのパワーを強調した配合をしていますが、柔らかみのあるフォームで走るのが特徴です。
これから父母のパワーが発現してきたときに、この柔らかさをキープできるのであれば、東京などの直線の長いコースでもビュンと弾ける脚が使えるでしょう。
3歳の春まではスピードとパワーで押し切れる血統なので、少なくとも桜花賞までは楽しみが続きます。
次回は再注目馬!阪神JFを制した『ラッキーライラック』について語りたいと思います♪