あけましておめでとうございます☆埼玉の能天気ことMIMURAです。本日はうちのスタッフ森山君が書いたブログ『【超個人的ニュース速報】最近驚いたことTOP3~日常の中の非日常~』に付随して、私が今までに体験した出来事の中で最も印象に残る事をお話ししたいと思います。最初に申し上げておきますが、ノンフィクションです。
まさにディザスターフィルムそのもの!!
私が小学6年生の頃の出来事になりますが、その年は近年稀にみる大きな台風に見舞われました。
台風何号かまでは記憶にないのですが、自衛隊が出動したり、TV局などのメディア等がリポートしにやってくるくらいでした。片田舎に大勢の人が集まったのを今でも鮮明に覚えております。
暴風雨とはまさにこの事で、轟きわたるような雨風が昼夜問わず降りそそぎ、町を覆い尽くしました。そのような大きな台風だったため、町は極めて悲惨な状況に陥り、翌日学校に登校できない友達もいたりしました。
私は幸いな事に、台風の影響をほぼ受けない高台エリアに自宅があったため、通常登校して、そのまま下校に至りました。
そこで衝撃的IMPACTと出くわしたのです!私の友人であるK君はじめ、仲の良い友達と5人で下校していた時の事です。
“友人宅が川に流れされている!光景”
いつもと違う景色を見ながら下校し、いつもより水嵩が増している川を渡ろうとしたその時でした、橋の中央に近づくにつれて遠くから声がしてきたのです。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~いッ!K君ッ!!!」と、呼んでいる少年の声が聞こえてきます。
耳を澄ませばより鮮明に聞こえてくるのです。何度も何度も連呼していましたが、こちらは何が起きているのかを把握出来ません。
また、「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~いッ!K君ッ!!!」「こっちだよ!」と声が。
橋の上から川の上流を見てみると、今までの人生で見たこともない光景がそこにはありました。
なんと!K君の親友であるM君の家が川に流されているのです。
ここでM君の事を簡単に説明しておくと、クラスの中でもよくある話ですが、貧乏子だくさんの典型的な家庭で、失礼な話になりますが、裕福ではありませんでした。家もトタン屋根のような頑丈ではない作りで、言葉は悪いですが、子供の目にはみすぼらしく映る家でした。
また、母親をはじめ彼の兄妹もその当時の生活レベルを下回るような身なりをしておりました。(※決して非難している訳ではありません。最後まで読んで頂けたら幸いです)
トタン屋根の上には幼い妹を抱える憔悴しきったM君の母親、弟も屋根の上で元気がなく横たわっています。忘れもしません、まさにそれは想像の斜め上を行く光景でありました。
何よりも異世界を感じたのが、M君がそのトタン屋根の上で股を開き片手を腰にあて、空いた片手をこちらに向けて振ってくるのです!
そして、ようやく気づいたこちらに再度、「元気かぁ~!」と、満面の笑みで語ってきたのです。この家族の状況をよそに前向き発言をしてきたM君に、周囲の皆もあっけに取られてしまいました。
呼ばれた親友K君も、
K君「M!どこに行くんだ?」と見当違いな声をかけると、
M君「それは分からないよ!」と返します。
家は橋の下を潜って下流へと流されて行きました。
その場にいた私をはじめ、皆がその1分くらいの出来事を忘れられず、今でも同窓会で会うと話の種にしております。翌日、彼はもちろん登校しませんでした。
最後に
現在の彼がどんな人生を歩んでいるかは、消息を絶っているため分かりません。しかし、中学の時もM君は元気に清貧であり、20歳の頃はトラックの運転手になったと聞きます。誰よりも早く家庭を持ち立派になった彼のことだから、きっと今も元気にやっているのでしょう。
人はどんな環境においても前を向いて歩んで行けるという1番大切な事を体現してくれた彼は、我々同級生にとってヒーローであるのは間違いありません。
という話を人にしても誰も信じてくれないのですが、私が人生において信じられないと思った光景は後にも先にもM君事件が1番です。