【AIがもたらす未来の姿⑤】次代の経営者が考える新しい企業のモチベーション
お金が不要な時代になっても、経営者がモチベーションを失うことはないと思われます。企業にとって利潤を追求することは重要なインセンティブです。しかし、次代の経営者が目指すのは、自らの製品やサービスで世の中を良くしたい、人の役に立ちたいという公共性の高い事業ではないでしょうか。
お金が不要な時代になっても、経営者がモチベーションを失うことはないと思われます。企業にとって利潤を追求することは重要なインセンティブです。しかし、次代の経営者が目指すのは、自らの製品やサービスで世の中を良くしたい、人の役に立ちたいという公共性の高い事業ではないでしょうか。
日常生活に必要なモノは、ほとんど無人で作られるようになるという話をしましたが、それでもモノづくりを頑なに続ける技術者や職人はたくさん残るでしょう。例えば時計。AIが作る大量生産の時計よりも、自分の腕が作り得る最高の時計を目指そうと、考える時計職人も少なくないでしょう。
農業製品と工業製品が無人で作られて、流通もコンピュータが管理し、ネットや電話で注文したものが、自動運転の輸送機器で届けられるようになれば、とりあえず人間は生きていけそうです。しかし、実際の生活には、それ以外にも重要な活動があります。例えば、医療はどうでしょうか?
人間は食べ物はもちろん、寒さや暑さに対応できる服や、家も必要です。そこで使う家具や家電製品、パソコンやスマホも今や必需品です。それらは、大きな括りでいえば、工業製品ということになります。将来的にはこれらも人類は、ほぼ無人で手に入れることができるはずです。
御代替わりで、平成という時代が終わり、令和という新しい時代が幕開けして数か月が経ちました。インターネットの普及に伴い、技術的なハード面だけでなく、利用者の利便性を重視したソフト面でのサービスも併せ持つ企業群が、圧倒的なスピードで世界的シェアを獲得し、新たなビジネスモデルを構築する時代です。
これだけ情報が溢れかえる時代になった今だからこそ、どうしても将来を不安視してしまうこともあります。そのような不安を払拭するのは難しいですが、「これからの時代をどう生きていくべきか」「どう生きたら幸せになれるのか」、これは考える価値がありそうな命題です。
現在のAIはある領域の機能において、人間の能力を超えてきている特化型です。対して、あらゆる面で人間の能力を超えるような万能型と呼ばれるAIロボットの誕生には、センシング技術が必須と言われています。機械で条件判定をしようとすれば、さまざまな技術が必要になりますよね。
AI囲碁プログラム『アルファ碁』やAI将棋プログラム『PONANZA』が、その世界で天才と呼ばれる人間を超えてしまった現実に、多くの人は戸惑いを覚えたのではないでしょうか?現在のAIは『特化型』と呼ばれ、ある専門領域において人間を上回る情報処理・解決能力を持ちはじめています。
AIと人間が、将来どのように関わっていくかについては、各方面でさまざまな議論が行われていますが、AIは必ずしも対立軸にあるものではありません。人間 vs AIというよりは、個々の持っている能力それぞれに対して、AIとの対立軸があり、協力軸があるのだと思います。
シンギュラリティとは「技術的特異点」と表現されています。要するに人工知能(AI)が人間を超えて地球上でもっとも賢い存在になり、さらに、より賢い人工知能を生み出すようになることです。これにより爆発的なスピードで世の中が変化すると予測されています。